夏になるとコンビニで見かけるオカルト系の書籍。

心霊スポットや心霊映像など表紙をみただけでゾッとするものばかり。

こんなもの作っている出版社の人は大丈夫なのかと心配してしまう。

そんな疑問を抱えていた時、偶然にもオカルト系雑誌の編集をしていた

Bさんに会った。顔色は悪く以前の面影もない。

不気味とさえ言っても過言ではないほど廃れていた。

私は軽く挨拶をしてその場を離れようとした。

だが、充血した目を私に向けながら

「話を聞いてくれないか」と哀願してきた。

断る術もなく、近くの喫茶店に入った。

そして席に着くなり、ぼそりと話し出した。

「会社辞めたんですよ。それに僕、彼女から逃れないんです」

精気のない言葉に身震いをした。

1年前に出版社を退職し現在フリーでライターをしているという。

原因はあるオカルト雑誌。

“読者投稿による心霊スポットを検証する”ページを担当していたそうだ。

続く‥