【 相補性 】

「心理学に学ぶ恋愛テクニック(Vol.6)」でご紹介した類似性の法則
これは関係性が浅い時には有効ですが、
ある程度関係が深まったり、安心がある環境下では物足りなくなってきます。

そこで、次の段階で必要になってくるのが『相補性』なのです。

「相補性」とはどんなものでしょう。

類似性と全く逆のパターンで、
自分に足りない部分(性格など)を、相手がうまく補ってくれるということです。

相補性は、完璧にならなくてはと思っても、完璧になれない自分に気付いた時、
自分には何が足りないのかを悟ります。
それが何かを認めると、その足りない部分を、他で補おうとするので、
自分にはないものを持っている人には強い価値を見出すのです。

「自分にないもの」を誰かに補ってもらえた分、自分の人生は楽になるので、
補い合うことによって、より完璧になれる相手を求めます。

よく「凸凹コンビ」とか「パズルのピースがピッタリ合わさったよう」
などと表現されるカップルがいますが、
それはまさに、相補性が成立しているカップルなのです。

結婚生活を成功させるには、相補性がとても重要になります。

経済力がない人は相手に経済力を求め、
家事が苦手な人は相手に家事を求め、
家計をやりくりすることが苦手な人は、相手に家計を上手にサポートできる人を求めます。

と言うことは、

裏を返せば、気になる相手や、意中の相手を引きとめておきたい場合は、
相手が持っていないものを、自分が持ち合わせるか身につければ良いのです。

まずは相手に足りないものを探してみましょう。

・内向的、人見知りする
・美的センスがない
・経済観念に乏しい
・経済力が低い
・家事が苦手
・交渉能力が低い
・マイナス思考
・ボランティア精神が希薄
・体力がない
・冷静な処理能力に欠ける

などなど、
一見するとこれらの人格や性質は、受け入れがたいマイナス面に思われますが、
完璧な人間などこの世には存在しないのです。
数か所のマイナス面があるくらいならば、
その人に「直してもらいたい!」と考えるよりも、
自分がその部分を逆に補えばいいと考えた方が、
相手とは簡単に上手くいきます。

相補性で感じる親密感は、類似性よりも強力です。

しかしひとつ注意点があります。

初めから相補性を強調するのは逆効果です。
初対面で「類似性」が有効で、
「同一化」を測ることが恋愛成功の鍵であると前回紹介したように、
初めは相手と歩調を合わせることを優先しましょう。

相補性が有効なのは仲が良くなってからなので、
ある程度の信頼関係や親密さを築いてから、
相手にないものを補っている自分をアピールして見て下さい。

すると、二人の間には強い絆が培われていくことでしょう。