言わずと知れた「吊り橋効果」。
心理学者ダットンとアロンによって実証された学説です。
実験は、18~35歳までの独身男性を集め、
渓谷に架かる揺れる吊り橋と揺れない橋の2ヶ所で行い、
男性にはそれぞれ橋を渡ってもらいます。
橋の中央で同じ若い女性が突然アンケートを求め話し掛け、
その際「結果などに関心があるなら後日電話を下さい」と電話番号を教えるという事を行いました。
結果、揺れない橋の方からはわずか一割くらいであったのに対し、
揺れる吊り橋の方の男性からはほとんど電話があったのです。
なぜ揺れる吊り橋の方が電話をかけてきた人が多かったかと言うと、
「つり橋を渡る興奮と恐怖」によって起きるドキドキを、
自己知覚によって「女性が魅力的なため」にドキドキしていると考えてしまったからなのです。
要するに恋と錯覚してしまったのですね。
これを『吊り橋効果』といいます。
もちろん女性から男性にのみ仕掛けるテクニックではなく、男性から女性にも有効的です。
有名な映画「スピード」の恋愛は、正に究極の吊り橋効果というわけです。
相手を吊り橋へ連れていくのは現実的にはなかなか難しいので、
★遊園地のジェットコースターやお化け屋敷デート
★ホラーやサスペンスの映画館デート
★相手に行き先を告げない唐突の遠出ドライブデート
など、スリルのあるデートコースに相手を誘ってみても、同様の吊り橋効果が期待できます。
これは知人男性が吊り橋効果を意識して実践した初デートのプランですが、見事に告白が成功しました↓
「映画を観に行こう」とデートに誘い、当日は車で迎えに行きました。
予定通り近くの映画館まで車で行き、食事をして、ここまでは普通のデート。
夜も更けてきたけど、まだ帰るにはちょっと早い時間。
彼は彼女に「ちょっとその辺をドライブしよう」と車に乗せた途端、
高速道路に入り地方までドライブ。高速道路を降りてからも、どんどん人気のない道を進んでいき、
その間、彼女が「どこへ行くの?」という問いにただただ、「いい所」」と答えるだけ。
そして到着した先は、満点の星が瞬く丘の上。
彼はそこで彼女に「これ見たら、嫌なこと全部忘れられない?」と言いました。
彼女はその時、仕事のことで悩み事を抱えていて彼に相談していたので、
彼は彼女をここへ連れてくることを考え付き、ついでに吊り橋効果に便乗して、
予告なしで車を走らせることを思いついたのです。
それから彼はちゃんと彼女の家へ送り届け、別れ際に告白しました。
彼女は即OK。
後々彼女にその時の心境を聞いてみましたが、
車の中での彼の会話が急に減り、どこへ連れて行かれるのかわからず、
彼に対しても不信感を抱いて、心底不安でとても怖かったそうです。
行きのドライブ中は彼とデートをしたことを後悔するくらいの気持ちだったのに、
帰りのドライブでは彼が好きだと認識するドキドキを感じ、
自分から告白しようかと考えたほどだったそうです。
「吊り橋効果」はいかほどにも応用が利くので、自分なりのプランを練って実験してみるのも楽しいかも?!
ただし、絶叫マシーンやお化けなどの怖いものが心底嫌いな人には逆効果を及ぼし、
「怖い」「嫌い」という体験感情が、その人への対人感情と錯覚してしまうようなので、ご注意あれ・・・
(一部Wikipedia引用)