EMCOMホールディングス(東京都品川区)は6月15日、福島市内で天然鉱石である「フィライト(千枚岩)」を活用した放射能汚染土壌の除去システムの実証実験をメディアに公開した。金学敏同社代表は「昨年の震災後、日本のために何かできることはないかと考え、日本大学工学部と共同開発したのがこのシステム。土壌の汚染除去作業の促進に繋がれば」と思いを語った。

フィライトに着目した理由について日大工学部・生命応用化学科の平山和雄教授は「一度、吸着すると粒子を離さないところと、コスト面」と回答。同システムを使用した除染率は90パーセントと言い、「今後は99パーセントまでの除染と、装置のコンパクト化を目指す」とした。

会見を開いたホテルから場所を移して行われた実験では、茶色に固まった汚染土壌を、特殊エジェクターに投入し振動にかけ、泥水とゴミなどの不要物に振り分け。泥水にフィライトを混ぜ入れることで、透明な処理水と、高濃度放射性物質に分離する。処理水は放水、または同システムの中で再利用することが可能で、1時間で15立方メートルの汚染土壌を処理することができる。

※最初に記事を書いた時に、15万立法メートルとなっていましたが、正しくは15平方メートルです。訂正いたしました。