【 中央収束理論 】

今までこんな経験はありませんか?

好きな女性から深夜に、
「電車がなくなったから迎えに来て!」
と頼まれた。
迎えに行くも、家まで送り届けたら呆気なくバイバイ。
でも頼られている気がして、
呼び出されるたびについつい迎えに行ってしまう。

好きな男性に部屋に呼び出された。
Hだけして帰された。
本当は彼氏になってほしいけど、
「付き合わないならやらない!」なんて言ったら、
もう二度と会ってくれなくなるような気がして、
体の関係だけ続けている。

デートの度に高額なものをねだられる。
買ってあげないと機嫌が悪くなる。
「これってちゃんと付き合っているって関係じゃないよね?」と思いながらも、
買ってあげなくなったら「別れる」と言われそうで、
経済的にも厳しいけど貢いでしまう。

などなど、

相手のことが好きという気持ちが自分だけ大きいと、
「これって対等な関係じゃないと思うけど・・・嫌われたくないから断れなかった」
ということがあると思います。

この現象を『中央収束理論』と言います。

この理論は、私が今まで聞いた心理学の中で一番納得させられ、
最も応用が利き、効果の威力は相当たるテクニックだと思います。

しかし、話術と洞察力を必要とされるため、使い方の難易度は上がります。

では、『中央収束理論』がどのようなものか、もっと詳しい例をあげてみましょう。

※A君はBさんが好きという設定での会話です。

A君 「携帯の電話番号教えてくんない?」
Bさん「いいけど、じゃあA 君のも教えて」

 (A君はBさんの反応に手応えを感じ、更に距離を縮めようとします)

A君 「じゃあ今度映画観に行かない?」
Bさん「いいよ。ちょうど観たい映画あったし」

(A君は更に距離を縮めようと調子に乗ります)

A君 「映画観た後に、Bさんの家に遊びに行きたいな~」
Bさん「それなら無理。映画も行かない。(きっぱり拒否)」

(A君は拒絶されたことに、すっかりしょげてしまいます)

A君 「君は僕のことそんなに嫌いなんだね。だったらもう電話もしない方がいいかな」

(A君の不機嫌態度に、今後の人間関係が気まずくなるのを案じるBさんは、打開策を提案します)

Bさん「そんなことないよ。映画の前に一緒にご飯食べに行くのは大丈夫だよ」

(Bさんの家に行きたいという要求を却下されましたが、
レベルの下がった一緒に食事をするという要求が通って、すっかり機嫌を取り戻すA君)

A君 「本当!?じゃあ、ご飯食べに行こう!明日はどう?」
Bさん「明日はちょっと予定があって・・・」
A君 「じゃあ明後日は?」
Bさん「明後日もちょっと・・・」
A君 「じゃあいつなら大丈夫なの?」

(煮え切らないBさんに、またもや不機嫌になるA君)

Bさん「来週なら予定空けられると思う。予定がわかり次第連絡するね」
A君 「うん!わかった」

このように、A君とBさんの約束は、曖昧なまま終わってしまいました。

では、Bさんの優しくなったり冷たくなったりの態度はなぜおこったのでしょう?
その理由は、BさんがA君との親密度を友達関係に設定しているからです。

だから、A君が友達以上のことを望めば冷たい態度をとり、
A君が機嫌を損ねて気まずくなると困る場合は優しい言葉を掛けます。

このBさんの揺さぶりにより、A君がどんなに努力したところで、
Bさんの設定している友達レベル以上に親密な関係になることは望めません。

二人の会話がどんなに進んだとしても、
結局A君の望む親密度とBさんの望む親密度のちょうど中間くらいの親密度に落ち着きます。

これを『中央収束理論』と名付けられました。

恋愛をするにあたって、優位な人と劣位の人がいれば、
恋愛が発展していくかそうでないかは、
優位の人の方のリアクションで恋愛がどこまで発展するかが決定されるのです。

「優位な者が恋愛を制する」と言っても過言ではありません。

そして、初期恋愛においては必ずと言っていいほど、
二人の関係は「優勢と劣勢」に分かれます。

あなたの恋愛は、あなたが優勢ですか?劣勢ですか?

次回は、どうすれば優位に立てるかの方法をご紹介します。

次回「心理学に学ぶ恋愛テクニック(Vol.5)中篇」へ続く・・・