果たして変わるのは潤いだけなのであろうか。
そんな習い事に纏わるこわーーい話。
今回は長編なので前後編でUPします。
……………………………………………
先月、1通のメールがA子さんの元に届いた。
それは英文のメールだった。
A子さんはスパムかと思い削除しようと思ったが、差出名に覚えがあったので読んでみることにした。
「それ、ラブレターだったんです。半年前に辞めた英会話教室の先生。それも素行が悪くてクビになった人ですよ。
凄く気持ち悪かったです。ルックスもタイプじゃないし、速攻ゴミ箱行きですよ。個人的に話したこともない人でしたから」
いきなりの告白とはこのような嫌悪感を生む場合が多い。それはあまりに一方的であるからだ。
A子さんの生理的な嫌悪感がヒシヒシと伝わってきた。
「それから、毎日メールがきましたね。だんだん怖くなりました」
この手のメールは無視するのが一番だが、相手のことよりも自分優先なタイプが多い。
果たして彼女はどのように対処したのであろうか。
「無視しましたよ。旅行の日だったし。でも……前の日、旅行会社にチケットの確認メールを
送ったら、間違えて例の男に送っちゃったんです。飛行機便名から滞在先のホテルまで詳細に書いたものなんですが」
そして悪夢の旅行は始まった。