大家には隣は誰もいないと言われ、こんな汚いアパートに決めたのだが毎晩、あの声がうるさく茂さんを悩ませていた。

空き部屋をラブホ代わりに使うやつがいるとは茂さんは考えてもいなかった。

犯罪ではあるが、不況の昨今やりたい盛りの男女に金欠を理由に性欲を抑えるのは無理な話だ。

むしろスリルがあって興奮してしまうのではないか。

毎晩繰り広げられる激しいあの声に少しノイローゼ気味の茂るさんだったが、壁に耳を当てて覗き聞きも悪いものではなかった。

朝、偶然隣のカップルとすれ違ったとき、女性の美しさに目を奪われたのも大家に通報しなかった原因でもあった。

 事は決まって深夜1時に始まった。

「おい、お前3Pしたいんだろう。隣の奴誘ってこいよ。お前のこといつもやらしく見てるじゃん」

下衆100%な男の発言の不覚にも茂は期待した。

3P悪くない、顔に滲み出る高慢さと美しさとHの嗜好は比例するのかと独り納得した。

あのすました美女の乱れるところなんか想像しただけで興奮してきた。

Wフェラもしちゃうんだろうな。茂の想像は股間とともに見る見る膨らんできた。

「すみません」甲高いが恐縮するような声が玄関から聞こえてきた。あの女だ。期待をこめながら、ドアを開けた。

ウギャ! 女は左手に血だらけになった肉棒をつかんで佇んでいた。

 嗟に茂さんはドアを閉め110番に電話した。