2002年8月10日
森に囲まれた遊歩道で起こった話である。
午後2時10分
何人かとすれ違ったとき、みんな不審な顔でこちらを見た。
私の顔がおかしいのであろうか?
ぶさいくと言われている私。あまり気にすることではなかった。
だが、すれ違う人すべてが気味悪そうに私を見る。
おかしいな? と思った。
午後2時30分
すると遊歩道の中間地点にある休憩所に老人が座っていた。
私は恐縮しながら老人に近づいた。原因を知りたかった。
「すみません」
老人は私の顔をみるなり微笑んだ。
「腕を組みながら、婆さんを連れてきてくれたんだね」
老人は感謝の目で私をみつめる。
私はビックリして腕を見た。
すると腕には青あざがハッキリと残っている。だがお婆さんの姿はない。
私はオロオロしながら老人を見た。
「婆さん、そろそろ帰ろうか」
老人は私の腕を見つめながらニッコリ微笑んだ。