初日、Aさんが配属されたのはケーブル工事の片側交互通行 であった。
それも、一人で勤務とういもの。通常、2人で行うのだが、初勤務で1人とは
かなり怖い! だが、意を決してチャレンジすることに。もともと、勘のいいAさん。
すぐに、慣れとても初勤務と思えないほど手際がよかった。
だが、お昼休憩中、右腕が突如痛み出した。それも、引きちがれるような痛み。
苦しさのあまり、早退しようと思ったが、2分後ピタリと収まった。
それから、通常の勤務に戻ると、何やら右腕が勝手に動く。
最初は気がつかなかったのだが、どうもAさんの手際が良いのではなく
Aさんの右腕が勝手に動いていたのではないかと思った。
そして、次の瞬間、Aさんの振った棒が車にアタリ、あたりは血まみれに。
Aさんは自分の右腕の感覚がないことに気がついた。
幸い、右腕を失うことは免れたが、付け根のところから肉が半分はみだしている状態だった。
匂いもひどく、血とワキガが混じったような匂いだった。
退院後、警備会社に制服を以前使用していた人のことを聞いてみると、
「分からない」の一点張り。
Aさんは不審に思い、制服の腕の付け根あたりを調べてみた。
すると、明らかに裏地の裁縫がおかしいと気がついた。どうみても
後から縫いつけたような跡があったという。